高タンパクな超加工食品なら太らない?Nature Metabolism最新RCTの答え

すずちゃんと薬剤師ウサギのみどりんが登場し、高タンパクな超加工食品とエネルギー過剰を問いかけるアニメ風アイキャッチイラスト

「高タンパクなら、超加工食品でも太らない?」

プロテインバー、プロテインドリンク、高タンパク表示のコンビニ食品。
健康やダイエットを意識している人ほど、「タンパク質が多ければ大丈夫」と思ったことがあるかもしれません。

すずちゃん

たしかに…“高タンパク”って書いてあると、安心しちゃいますよね

みどりん

うん。でもね、その“安心”、本当に科学的に正しいのかを調べた研究があるんだ

今回紹介するのは、Nature Metabolism(2025年)に掲載された入院管理下のランダム化比較試験(RCT)です。
この研究では、

  • 高タンパク
  • 低炭水化物
  • 超加工食品(UPF)

という、いかにも「太りにくそう」な条件の食事が、
実際に人のエネルギーバランス(摂取量・消費量)にどう影響するのかが厳密に検証されました。

意志力の話でも、イメージの話でもありません。
「食べ放題」という条件下で、人の体がどう反応したかを見た研究です。

この記事では、
「高タンパクなら超加工食品でも問題ないのか?」という問いに対して、
論文が示した答えを、そのまま丁寧に解説していきます。

この記事で分かること

  • 高タンパク・低炭水化物の超加工食品は、本当に太りにくいのか
  • Nature Metabolism掲載RCTで、何が起きたのか(摂取量・体重・エネルギー収支)
  • 「タンパク質を増やせば解決」という考えが通用しなかった理由
  • Hall 2019(500kcal多く食べた)/Dicken 2025(ガイドライン通りでも差が出た)の研究と、今回の研究はどうつながるのか
  • 超加工食品を完全に避けなくてもいいのか、現実的な考え方
みどりん

“高タンパク”って言葉に、体がどう反応するのか。
そこを冷静に見ていこう

超加工食品を
信じすぎず、怖がりすぎず付き合うために。
まずは、この研究結果から一緒に見ていきましょう。

目次

高タンパクな超加工食品は本当に太りにくいのか?研究の背景と狙い

「高タンパクなら、超加工食品でも大丈夫なのでは?」

この考えは、決して突飛なものではありません。
タンパク質は、食後の満腹感を高め、筋肉量を維持し、
体重管理に有利とされてきた栄養素だからです。

すずちゃん

たしかに、ダイエットでも“まずタンパク質を増やそう”ってよく聞きます

みどりん

そうだね。だからこそ、“高タンパクな超加工食品なら例外なのか?”を確かめる必要があったんだ

これまでの研究で分かっていたこと

これまでの入院管理下RCTでは、

  • 超加工食品は、意志とは関係なく食べすぎやすい
  • 同じように設計された食事でも、1日約500kcalの過剰摂取が起きた

詳しくはこちらで解説してます👇

さらに近年では、

  • 健康ガイドラインを満たすように栄養を整えても
  • 加工度の違いによって体重変化に差が出る

詳しくはこちらで解説してます👇

つまり、
「栄養バランスを整えるだけでは不十分かもしれない」
という疑問が、ここで浮かび上がってきます。

そこで今回の研究が問い直したこと

今回紹介する Hägele 2025(Nature Metabolism) の研究が焦点を当てたのは、
その“次の一手”です。

「では、高タンパク・低炭水化物にすれば、超加工食品の弱点は補えるのか?」

この研究では、

  • 超加工食品(UPF)を使用
  • しかし タンパク質を高め、炭水化物を抑えた設計
  • しかも 入院管理下・食べ放題

という、非常に厳密かつ現実的な条件で検証が行われました。

みどりん

“高タンパクならどうか?”を、
イメージじゃなく体の反応そのもので確かめた研究なんだ

▶ 結果|高タンパクでもエネルギー過剰は防げたのか?

結論から言うと、この研究では
高タンパク・低炭水化物に設計された超加工食品であっても、エネルギー過剰(食べ過ぎ)を完全に防ぐことはできませんでした。

ただし、この結果を正しく理解するためには、
「何と比較しているか」を整理する必要があります。

高タンパクにすると「食べる量」は確かに減った

この試験では、

  • 標準的な超加工食品食(タンパク質約13%)
  • 高タンパク・低炭水化物の超加工食品食(タンパク質約30%)

が比較されました。

その結果、高タンパクUPFでは
👉 1日あたり約196 kcal、エネルギー摂取量が少なくなっていました。

すずちゃん

じゃあ、高タンパクにすれば問題ないようにも見えるね?

みどりん

ここで“比較対象”を間違えると、結論を誤っちゃうんだ

それでも「食べ過ぎ」だった理由

重要なのは、
自分のエネルギー消費量と比べるとどうだったかです。

高タンパクUPFでは、

  • エネルギー消費量は
    👉 約128 kcal/日 増加しました

しかしそれでも、

  • 摂取量 > 消費量
  • エネルギーバランスはプラス(+18%)

となり、
体にエネルギーが余る状態(=太りやすい状態)が続いていました。

なお、標準的なUPFでは、+32%と、さらに大きな過剰でした。

この結果が示す本質

つまり、この研究が示したのは、

  • 高タンパクにすると
    👉 過剰摂取は「軽減」される
  • しかし
    👉 超加工食品である限り、過剰は「止まらない」

という点です。

みどりん

高タンパクは“ブレーキを強くする”効果はあるけど、
超加工食品という“アクセル”は踏まれたままだった、って感じだね

誤解しないためのまとめ

高タンパクな超加工食品は、標準的な超加工食品よりはマシ。
でも、“太らない”とは言えない。

この結果は、
👉 「高タンパクなら超加工食品でも安心」という考えに、慎重になる必要がある
ことを示しています。

なぜ高タンパクでも食べすぎは防げなかったのか?【考察】

この研究で注目すべき点は、
「タンパク質量」ではなく「食品の加工度そのもの」が、食行動に強く影響していた可能性です。

① 食べやすさと摂取スピードの問題

高タンパクUPFは、

  • 柔らかい
  • 噛む回数が少ない
  • 飲み込みやすい

といった特徴を持っていました。

その結果、

  • 食べるスピードが速くなり
  • 満腹を感じる前にエネルギーを摂取してしまう

という状況が生じやすくなります。

みどりん

満腹感って、“栄養”より“時間”に左右される部分も大きいんだよ

② エネルギー密度が高いという構造的な問題

高タンパクに設計されていても、
超加工食品はエネルギーが凝縮されやすいという性質があります。

  • 少量でも多くのカロリーを摂れる
  • 胃の物理的な満腹が起きにくい

そのため、「しっかり食べたつもりでも、気づいたらエネルギーは過剰」

という状態になりやすかったと考えられます。

③ タンパク質の“ブレーキ”が追いつかなかった

タンパク質には、

  • 食欲を抑える
  • 摂取量を調整する

という作用があります。

しかし今回の研究では、

  • UPF特有の過食誘発性
  • タンパク質の調節作用を上回った

可能性が示唆されています。

みどりん

高タンパクは“万能カード”じゃなかった、ということだね

この研究から言えること/言えないこと

ここで、研究結果を正しく使うために
言えること/言えないことを分けて整理します。

この研究から言えること

  • 高タンパクにしても
    👉 超加工食品ではエネルギー過剰が起きやすい
  • 栄養設計を工夫しても
    👉 加工度の影響は残る
  • 過食は
    👉 意志の弱さだけでは説明できない

この研究から言えないこと

  • 「高タンパクUPFは必ず太る」
  • 「超加工食品は一切食べてはいけない」
  • 「最小加工食品なら無制限に食べていい」

あくまでこれは、短期間・入院管理下・若年健常者での結果であり、
すべての人・すべての状況に当てはまるわけではありません。

日常生活でどう考えればいい?高タンパク超加工食品との付き合い方

では、この研究結果を
私たちの普段の食生活にどう活かせばよいのでしょうか。

①「高タンパク=安心」と思いすぎない

  • プロテインバー
  • 高タンパク加工食品
  • 低糖質スナック

これらは、“普通の超加工食品よりはマシ”でも、
過食を防ぐ保証はない

と考えるのが現実的です。

② 食事の「土台」は最小加工食品に置く

  • 肉・魚・卵
  • 野菜・果物
  • 豆類・穀物

といった 本来の食材を中心にしつつ、

  • 忙しいとき
  • 外出時
  • 補助的な栄養補給

として超加工食品を使う、という位置づけが合理的です。

みどりん

“全部ダメ”じゃなくて、“主役にしない”がポイントだよ

③ 食べるスピードと量を意識する

もし高タンパクUPFを食べるなら、

  • ゆっくり食べる
  • 量を決めてから食べる
  • 固形食と組み合わせる

といった工夫で、
加工度の影響を弱めることが期待できます。

まとめ|この記事の要点と、その先の未来

  • 高タンパクにしても
    👉 超加工食品ではエネルギー過剰を完全には防げなかった
  • 問題は
    👉 栄養設計だけでなく、食品の加工度そのもの
  • 高タンパクUPFは
    👉 「マシ」ではあるが「安全」ではない
みどりん

食事は“数字”だけじゃなく、“形”や“食べ方”も大事なんだよ

超加工食品を
怖がりすぎず、でも過信しない。

この視点を持つことで、
あなたの食事選択は、
もっと柔軟で、続けやすいものになっていきます。

📝 ご注意ください
・本記事は、信頼できる資料をもとに薬剤師が分かりやすくまとめた一般情報です。
・内容には十分配慮していますが、個別の症状や体質には必ず医師・薬剤師へご相談ください。
・万一誤り等にお気づきの際は、そっとご指摘いただけると幸いです。

参考文献

  1. Hägele FA, Büsing F, Nas A, et al. Short-term effects of high-protein, lower-carbohydrate ultra-processed foods on human energy balance. Nature Metabolism. 2025. https://www.nature.com/articles/s42255-025-01247-4
  2. Hall KD, Ayuketah A, Brychta R, et al. Ultra-Processed Diets Cause Excess Calorie Intake and Weight Gain: An Inpatient Randomized Controlled Trial of Ad Libitum Food Intake. Cell Metab. 2019;30(1):67-77.e3.
  3. Dicken SJ, Jassil FC, Brown A, et al. Ultraprocessed or minimally processed diets following healthy dietary guidelines on weight and cardiometabolic health: a randomized, crossover trial. Nature Medicine. 2025;31:3297–3308.
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この記事を書いた人

薬剤師みどりんが、論文と専門知識をベースに、
30代女性の健康・美容・ストレスケアに役立つ情報をやさしく発信中🍀
医療現場での5年以上の経験を活かし、“本当に体にいいこと”を厳選してお届けします。
難しい話も、キャラと一緒にわかりやすく・実践できる形で紹介しています🐰

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