
タンパク質って、1回に30gまでってよく聞くよね?
この前プロテイン飲もうとしたら、40gはムダになるよって言われちゃって…💦



実はその“30g神話”、もう古いかもしれないのよ。
最近の研究では、100g摂っても筋肉はちゃんと活用してくれるっていうデータが出てきてるの!



えっ、そんなに!? じゃあ無理に分けて飲まなくてもいいの?



そう。しかも長時間(12時間以上)筋合成が続くこともわかってきたの。
つまり、“こまめに分ける”が正解とは限らないってことね☝️
これまでの常識だった「1回30gまで説」に対し、
最新の研究はまったく新しい見方を提示しています。
今日はその内容を、やさしく・わかりやすく解説していきますね✨
- 🧠 なぜ「1回30gまで」はもう古いのか?
最新研究で明らかになった、100g摂取時の筋タンパク合成の反応を解説します。 - 🍗 一度に多めに摂っても大丈夫?
プロテインや高タンパクな食事を“分けなくてもいい”ケースを紹介します。 - 🕒 食事パターンの選択肢が増える!
「1日2食」や「夜に多め」など、ライフスタイルに合わせた柔軟な摂り方が可能になります。 - ⚠ 注意すべきポイントも
すべての人に当てはまるわけではありません。研究の対象者や適用条件をしっかり押さえましょう。
🧠【最新研究の結論】100gのタンパク質でも筋肉は有効に使われる





タンパク質って、1回に30gまでってよく聞くよね?
それ以上はムダになって、体に吸収されないって…💦



たしかに以前はそう考えられていたの。でも、2023年に発表された最新の研究(Trommelenら)では、100g摂っても筋肉はしっかり活用してくれるっていう結果が出てるのよ☝️
🔍 「1回30gまで」は“短時間研究”に基づく通説だった
これまでの一般的な考えでは、
「筋タンパク質合成(=筋肉を作る材料が体内で作られる反応)を最大化するには、1回20〜30gのタンパク質摂取が最適」とされてきました。
その理由は…
- それ以上の量を摂っても合成率が頭打ちになる
- 余ったアミノ酸は酸化(=燃やされてエネルギーとして使われる)されてムダになる
といった結果が、摂取から3〜5時間という短期間だけを観察した研究で示されていたからです。
📚 Trommelenら(2023):100g摂取のアナボリック反応を長時間観察


オランダの研究者Trommelenら(2023)は、健康な若年男性を対象に、
25gと100gのタンパク質摂取後に筋肉や全身の反応がどう変わるかを比較しました(出典)。
その結果──
100g摂取の方が「強く・長く」筋合成が続いた!
- 筋タンパク質合成(筋肉をつくる働き)は、25g摂取よりも100g摂取の方がより大きく増加
- 筋肉に限らず、血漿タンパク質や結合組織など全身の合成反応も高まった
- さらに、このアナボリック反応(=筋肉を作る合成的な状態)は12時間以上も持続しました
摂取したタンパク質の85%以上が体内で活用された!
「一度に大量に摂ったらムダになるのでは?」
…と思われがちですが、実際には無駄になる量はごくわずかでした。
- アミノ酸の酸化(燃焼されてしまう分)はわずか
- ほとんどのアミノ酸は、ゆっくり吸収されながら血中に放出→筋肉へ取り込まれていた
- 結果として、“一気に摂ったタンパク質”も長時間にわたって有効活用されていたのです
mTORの分子反応と「筋合成の持続時間」は一致しなかった
筋タンパク合成のマーカーとしてよく使われるmTOR(筋肉の成長に関わる分子シグナル)は、
摂取後4時間ほどで反応が終わりました。
しかし、筋合成そのものは12時間以上持続。
つまり、分子シグナルの消失=筋肉づくりが終わった、とは言えないということも明らかになりました。



つまり、“1回30gまで”っていうルールは、昔の短期研究から生まれた考え方なの。
でも今は、“もっと多く摂っても、筋肉はちゃんと使ってくれる”ってことがわかってきたのよ✨



え〜!それなら、夜にしっかり食べたり、1日2食にまとめたりしてもいいってこと?



うん、まさにその通り♪
次は、その“自由な摂り方”について、どんな工夫ができるか一緒に見ていこうか☘️
🍽【実践ポイント】“分けなくてもOK”なタンパク質摂取パターンとは?





1回30gにこだわらなくていいなら…
朝に軽く、夜にたっぷり食べても大丈夫ってこと?



うん、1日のトータル量がしっかり摂れていればOKなのよ。
“どう分けて摂るか”より、“1日全体でどれくらい摂れているか”の方が大事なの☝️
【パターン1】夜に多めに摂るスタイルでも問題なし
夜ごはんで肉や魚、豆腐などをしっかり食べるタイプの人でも、
「一度に多く摂ったらムダになる」という心配は不要です。
- 研究では100gでも筋合成が12時間以上続くことが示されており、
- 「夜にたくさん→翌朝まで活用される」流れが可能と考えられます
夕食がメインになる人でも、焦って“分けて摂ろう”としなくてもOK。
【パターン2】1日2食でもしっかり筋肉づくりができる
朝食を抜いて、昼・夜の2食でタンパク質をしっかり摂っている方もいますよね。
このスタイルも、1回量を気にしすぎる必要はありません。
- 1食で40~50gのタンパク質を摂っても、アミノ酸は時間差で吸収される
- 結果として、筋肉への供給はじわじわと続く
「間隔が空く=無駄になる」わけではなく、体がうまく使ってくれる設計になっているんです。
【パターン3】プロテイン1杯で40g以上摂っても大丈夫?
プロテインパウダーで一気に摂るときも、安心してください。
- ホエイプロテインなど吸収が速いタイプでも、完全に“吸収しきれない”ということは起きにくい
- 余ったアミノ酸も、多くは筋肉や全身での合成に使われることがTrommelenらの研究で示されています
「プロテイン1杯=30gまで」の制限は不要。体調や食事内容に応じて調整してOK!
【応用編】時間栄養学やライフスタイルに合わせてカスタマイズ
- 間欠的断食(16時間断食など)をしている人も、1回の食事で多くのタンパク質を摂ることに意味があります
- 高齢の方や女性でも、「少量をこまめに」が合わない場合は、一度にしっかり摂る戦略も有効な選択肢になるかもしれません(※要医師確認)
“こまめに分ける”以外の選択肢も、科学的にアリになってきているというのが今回の重要なポイントです。



たしかに、忙しい日って細かく分けるの難しいし…
無理にタイミングばかり気にしなくていいなら、気持ちもラクになるね🌿



うん。もちろん極端な偏りや無計画なドカ食いはNGだけど、
“ライフスタイルに合わせて自由に選べる”ってすごく心強いことよね😊
⚠【全員に当てはまるわけではない】タンパク質摂取の“上限なし”は条件つき





でも…100gまで摂っていいって、なんだかちょっと極端な感じもするよね?



うん、そう思うのは大事な感覚よ✨
今回の研究は、“どんな人でも100g摂って大丈夫”という話ではないの。条件付きでの“可能性”として捉えるのが正解ね☝️
研究の対象は「健康な若年男性」のみ
今回のTrommelenら(2023)の研究は、若くて健康な男性(トレーニング習慣のある層)を対象に行われました。
つまり…
- 高齢者・女性・持病がある方には必ずしも当てはまりません
- 消化・吸収能力や腎機能に個人差があるため、体質に合わせた摂取が必要です
「万人向けの結論」ではないことを必ず覚えておきましょう。
ドカ食いや極端な偏りはNG
たとえ筋合成に活用されるとわかっていても、以下のような摂り方は避けましょう:
- 毎日極端に1回の食事だけでタンパク質を大量摂取する
- ほかの栄養素(炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)を軽視してしまう
バランスのとれた食事があってこそ、タンパク質もうまく使われることを忘れずに。
【まとめ】1回量に縛られず“トータルで見る”ことが大切!
これまでの通説だった「1回30gまで」という考え方は、
短時間・短期間の研究から生まれたものでした。
でも、Trommelenら(2023)の最新研究では…
- 100g摂取でも、筋肉や全身の合成反応はさらに高まり、12時間以上持続
- 摂取タンパク質の85%以上が体内で有効活用
- 回数やタイミングに縛られすぎず、1日の総摂取量が重要
ということが明らかになっています。



つまり、“いつ・どれくらい摂るか”に神経質になるより、
“自分の生活スタイルに合った方法で、トータルでしっかり摂れているか”が大事ってことよ🍀



なるほど〜!
これからは“30gまで”に縛られすぎず、ムリなく続けられる方法でやってみるね✨
📝 ご注意ください
・本記事は、信頼できる資料をもとに薬剤師が分かりやすくまとめた一般情報です。
・内容には十分配慮していますが、個別の症状や体質には必ず医師・薬剤師へご相談ください。
・万一誤り等にお気づきの際は、そっとご指摘いただけると幸いです。
参考文献
Trommelen, J., Holwerda, A. M., Senden, J. M., Gijsen, A. P., van Loon, L. J. C. (2023). The anabolic response to protein ingestion during recovery from exercise has no upper limit in magnitude and duration in vivo in humans. Cell Reports Medicine, 4(12), 101324. https://doi.org/10.1016/j.xcrm.2023.101324